《ハワイからの手紙》『話す仕事』の奥の深さ

『話す仕事』の奥の深さ

 「アローハ、カカヒアカ! 飯島寛子です。8月10日ハワイのサンライズは午前6時8分、サンセットは午後7時4分。今週は、黄色い香りの良い花を歌った曲をお送りします…」。番組のオープニングをこのような言葉で始めます。毎週ワイキキから電波にのせて、ここ常夏の楽園のさまざまな情報や最新のトレンド、そしてハワイの音楽を日本のリスナーの皆さまにご紹介しています。
 私はラジオ・パーソナリティーの仕事を始めて4年になります。もとをたどれば私が高校生の頃、日々の出来事や好きな音楽をカセット・テープに録音し、それを友人と交換し合っていたことにつながります。いわゆる「DJごっこ」のようなことをして、コミュニケーションを楽しんでいました。
 ラジオの仕事はこの交換テープの延長のようなものと、私は最初そう思っていました。ところが、実際にマイクの前に立って話そうとすると、思いを伝える言葉が自然に出てこないのです。また、今の職場であるスタジオ・リムは公開収録を行っているため、リスナーの方々の目の前で話しをします。その状況が生みだす緊張感は相当なものです。
 インタビューの際、ゲストに気の利いた言葉をかけることができなかったり、良いコメントをいただいたのにもかかわらず、それに応答する適切な言葉が出てこなかったりします。番組で紹介する情報の下調べをしていないと、その魅力を聞き出す質問が出てきません。私は『話す仕事』の奥の深さに直面し、すぐに打ちのめされてしまいました。
 そして、情報の正確さ、適切な表現法、言葉のリズムやスピートなど、今まで気がつかなかった部分を意識するようになりました。つまり、『話す仕事』には勤勉でなおかつ特殊技能が必要。更にはその場の雰囲気を読んだ演出なども同時に求められる。人間の内面性にも関係する大変高度なスキルだということを発見しました。
 番組ディレクターである徳重玲子さんはそのスキルを熟知しておられる方です。彼女からは「私は下積みが長いから」という言葉をよく耳にします。確かにこの道で積み重ねてきた経験と才能によって、臨機応変に何でもこなしておられます。その力量と陰の努力には目を見張るものがあります。
 玲子さんからは番組の中で、ナレーションやニュース朗読の際の集中力、ゲストの魅力や伝えたい事を引き出すコツ、リスナーに具体的に分かりやすく伝える言葉の選択などを学ばせていただいています。彼女はこの道で今私が尊敬している教師です。

 「心に知恵のある者は悟りのある者ととなえられ、その快いことばは理解を増し加える。」(旧約聖書・箴言16章21節)

 さて、スタジオ・リムの「リム」には環太平洋をつなぐ「環」という意味があります。ここではハワイアンミュージシャン、クムフラ、レストランのシェフなど様々なゲスト、そして多くのリスナーさんとの出逢いがあります。そして、その出逢いを通してまた新しいドラマが生まれるのです。この出逢いの場であるスタジオ・リムにぜひお越しください。出逢いの神はあなたに素敵なスマイルを与えてくれるでしょう。(クリスチャン新聞「福音版」2013年8月号)

 

飯島寛子 いいじま・ひろこ

世界の第一線で活躍したプロ・ウィンドサーファー飯島夏樹さんと結婚。4人の子どもを授かったが、夫は肝臓ガンのため2005年に召天。夏樹さんは病床で3冊の小説を書いて発表し、その生涯は『Life天国で君に逢えたら』(東宝)として映画化され反響を呼んだ。寛子さんも、それからの家族の歩みを『Lifeパパは心の中にいる』(新潮社)に綴っている。本連載を基にした『アロハの贈り物 家族5人ハワイで今日も生かされて』(いのちのことば社)を好評発売中。エッセイスト、ラジオのDJとして活躍し、自身の経験を活かした講演活動を行っている。マキキ聖城キリスト教会会員。

飯島寛子オフィシャルブログ http://ameblo.jp/hirokoiijima/

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