《レビュー》“イエスは宗教を超えた存在である”『WHY JESUS』

  • 2018/9/3
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《レビュー》『WHY JESUS』

『なぜイエスなのか(WHY JESUS)』について語られた説教集

宗教以上、ノー・マイレージ、自由、喜び、愛と権力、罪…。本書はこれら12のキーワードをもとに、なぜイエスなのか(WHY JESUS)について語られた説教集だ。

「去年、500周年を迎えたルターの宗教改革は、もう一度聖書に戻ろうという試みでした。著者もまた、今まさに韓国の教会で宗教改革を再現している」と、訳者があとがきでつづっているように、罪、十字架、復活、恵みなど、聖書の根幹とも言える基本教理にストイックなまでに立ち続け、「イエスが真理であり、あなたを自由にする。イエスに立ち返ろう」と、現代人に届くキーワードを取り上げながら聖書の真理を説く。

例えば「ノー・マイレージ」。マイレージとは航空会社が行う顧客へのポイントサービスのことだが、「イエスは、マイレージ・システムを完全になくした」と語る。天国に行くためには一生懸命努力してマイレージを貯める必要は無い。イエスと出会った人はノー・マイレージ・システムの人生に転換した、と。

あるいは「イエスのフォロワーになる」。「フォロワーとは、別の言い方をすれば弟子。誰のフォロワーになるかがもっとも重要なことです。(中略)フォロワーになれないと、真のリーダーにもなれません」。著者は現代的な用語を巧みに使って、見事に聖書の教えを表現している。

一貫した主張は、イエスが宗教を超えた存在であるということだ。「イエスを信じるということは、一般の宗教とは次元の違う何かである」。40代まで仏教者だったという著者の確信でもある。

著者は、韓国のテレビ局MBCで25年間ジャーナリストとして活躍。テレビキャスターも務めた。その後、ハ・ヨンジョ牧師(故人)を通して信仰を持ち、53歳で米ボストンの神学大学院で学び、57歳で牧師となった。キリスト教界では遅咲きだが、元ジャーナリストの牧師が語る一つ一つのメッセージには迫力がある。「自分は自由を求めてテレビ局に入ったが、そこは監獄だった。自由を得るためには、イエスに出会うことが必要だ」と。

その強い意識は、著者の目に世俗的な欲望にかられ、聖書の教えから離れ、世の価値観に染まり、愛よりも権力(パワー)を求めていくように映る今の韓国教会、クリスチャンたちにも向けられていく。韓国の教会がイエスとは何の関わりのない組織や制度になっていくように見える傾向に、著者は強い危機感を覚え、警鐘を鳴らしている。その言葉には、日本の教会、クリスチャンも自戒の念とともに耳を傾けるべきだろう。(クリスチャン新聞編集部)

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