《5分でわかる》新約聖書とは?

聖書辞典

新約聖書とは?

新約聖書 徹底解説

キリスト教の正典である聖書の第2部.27の文書より成る.分量は第1部である旧約聖書のほぼ3分の1.紀元50年から100年の間に書かれたキリスト教文書のうち,信仰と生活の誤りのない規範として権威あるものとされた文書が1つにまとめられて新約聖書を形成している.

新約聖書の言語

前5―4世紀に哲学・文学等の世界で広く用いられていた古典ギリシヤ語は,次の時代にはコイネー・ギリシヤ語へと形を変えていった.そこには簡略化,単純化の原理が働いていたが,最大の特質はコイネー・ギリシヤ語の持つ国際性にあった.コイネーとは「共通の」あるいは「広く用いられる」という意味であり,事実,アレクサンドロス大帝の版図,すなわち現在の南フランスからインドの境までの広大な地域に通用していた.前300年から紀元300年までの期間,貿易を初めとする庶民の生活全般に密着した世界共通語として大きな役割を果たしたと言える.新約聖書がこのような言語で書かれたという事実は,福音が民衆の福音であることを裏書きすると共に,福音の世界性,普遍性をそのまま映し出している.

原本と写本.新約聖書の著者が書いた原本はすでに失われており,私たちの手にあるのは時代を経て筆写された写本である.写本の数は断片をも含めて約4500にのぼる.パピルスあるいは羊皮紙に書かれたものがほとんどであるが,現存する最古の写本で新約聖書の全体にわたるものは,4世紀のものである.これらの写本の比較対照の作業の結果,新約聖書の本文(テキスト)はかなり復元されており,その度合は他の古典文書の場合をはるかに越えている.ラテン語,シリヤ語,コプト語等による古代訳も本文復元に大いに貢献してきた.

構成

新約聖書の初めに置かれている4つの福音書は,イエス・キリストの生涯のアウトラインに従いながら,救い主としての教えと行いを,十字架上の死と復活とを中軸として描き出している.それに続く「使徒の働き/使徒言行録」は,復活のキリストが使徒たちを通してなされた伝道と教会形成のわざを記す歴史である.続く21の手紙(このうち13はパウロのもの)は,手紙という文書様式をとって福音の事実の解釈を示すものであり,キリスト教教理の基礎を提示すると共にキリスト者生活の指針を与えている.最後に置かれている「ヨハネの黙示録」は,イエス・キリストにおいて到来した神の国の全き完成を,勝利と栄光を軸に描ききっている.このように,文学様式は多岐にわたるが,新約聖書記者がこぞって描き出しているのは,神の子であり救い主であるイエスそのお方であり,新約聖書はイエス・キリストについての情報,史料を提供する文献というよりは,このイエスを唯一の救い主として示す,神の恵みのことばであるというのが正しい.この意味で,新約聖書は権威ある正典である.

中心的使信

新約

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