《世界遺産登録》長崎カトリック、プロテスタント代表とルーテル教会の声

  • 2018/7/11
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過去をどれほど知っているか
社会の関心・共感に愛の応答を

ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会は日本時間6月30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を世界遺産に登録した。キリシタンの苦難と信仰、開国後の教会の形成の歴史が、国内外に改めて認識される機会になった。各界から日本の諸教会に向けて記念のコメントが寄せられた。今週は長崎のカトリック、プロテスタント教会の代表、宗教改革記念の取り組みで協働したルーテル教会の言葉を届ける。

髙見三明 カトリック長崎大司教

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録は、素直に喜ばしくありがたいいことと思います。

教会は、文化財として世界遺産なのですが、本来祈りの家です。しかし文化財は人間の精神活動の所産ですので、信仰の表現でもある教会と共通しています。

今回は教会の背後にある信仰の歴史、すなわちキリスト教の伝来と繁栄、禁教と潜伏、そして復活に至るまで信者が生き抜いた信仰の歩みに価値があると世界に認められたということです。特に禁制の結果、全国で多数が殉教し、特に長崎では潜伏して、つまり秘密の組織をつくり、檀家を装って信仰を内に秘めて守り伝えましたが、高札撤去以後各地に建てられた教会がその歴史を証ししているのです。

日本初のキリスト教関連の世界遺産ですので、人々の関心が教会とキリスト教に向けられるでしょう。キリスト者は自分の信仰の内容や日本の教会の歴史をどれだけ知っているのか、何よりも自分が信者らしく愛を生きているかどうかを問われます。

柴本孝夫 長崎キリスト教協議会委員長・日本聖公会司祭・長崎聖三一教会牧師

この度の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録をお祝いいたします。

長崎の街を歩いていますと、この遺産登録の兆しが感じられた頃からでしょうか、以前にも増して多くの旅行者が、広く国内外から来訪されるようになったと肌で感じます。特に過酷な時代状況を潜り抜けてきた信仰者たち、また教会の存在に注目し、関心を寄せてくださることは大変喜ばしいことだと思います。

バーレーンでの会議の様子が伝えられていましたが、出席した人々が日本の潜伏キリシタンの歴史に聞き、心で受けとめ、全会一致で登録を決定する様子に、痛みに共感しようとする人の姿を見、感動させられました。聖書に「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます」とあるとおり、直接目にすることができない人の思い、特に痛みや悲しみへの共感こそが、この不安定な世界に広がっていくことを切望いたします。どうぞぜひ長崎をお訪ねください。

大柴譲治 日本福音ルーテル教会総会議長

昨年11月23日、日本福音ルーテル教会はカトリック教会と宗教改革500年を共同記念した。それは50年間の世界レベルでの祈りと対話が日本でも結実した歴史的な瞬間だ。これが「ナガサキ」のカトリック浦上教会で実現。自らの罪を神にざんげしつつ、正義と平和のためにさらに祈りと力を合わせることを確認しながら、シンポジウムと合同礼拝を行った。参加者は千300人に上った。

1517年10月31日に端を発する教会の分裂は、世界史に大きな影響を与えた。カトリック内改革で誕生したイエズス会のフランシスコ・ザビエルが、1549年に日本にキリスト教を伝えたこともその一つ。以降日本におけるキリシタンは苦難の歩みを続ける。

今回「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されたことは意義深い。聖餐の設定辞でキリストは「わたしの記念のためこれを行え」と命じる。信仰において過去を想起することはそれを正しく継承して未来を実現するために必要なことである。自らの信仰を命がけで守り抜いた先達たちの信仰を心に刻み続けたい。

(次週はキリシタンに関心を寄せてきた海外のクリスチャンの声を届けます)

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