今も教会に生きる獄中で覚えた感謝 札幌新生教会「弾圧記念聖会」で

  • 2018/7/13
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今も教会に生きる獄中で覚えた感謝

札幌新生教会「弾圧記念聖会」で

1942年6月26日、全国のホーリネス系教会の牧師が治安維持法違反容疑で一斉検挙された。同派が強調する「再臨信仰」が、天皇を「現人神」とした当時の国体を脅かすとみなされた。この宗教弾圧を忘れず今日に生かしていこうと毎年開かれてきた「ホーリネス弾圧記念聖会」の第27回が、今年も直近の日曜日(24日)午後に東京・新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会を会場に開かれ、ホーリネス系の諸教団から約130人が集まった。主題は「今、何が起こっているのか」。

夜の聖会の説教でウェスレアン・札幌新生教会牧師の岡田順一氏は、エステル記4・1〜17から「苦難の中における恵み」と題し、同教会の第6代牧師で弾圧を受けた伊藤馨の経験と信仰が今も同教会に受け継がれていることを語った。

伊藤牧師は旭川巡回中逮捕され、4年の実刑判決を受けて3年3か月、旭川刑務所に拘留された。体中凍傷になり、信徒が会っても顔が分からないほどだったという。60キロあった体重は出所時には40キロに痩せた。そのような試練の中にあって伊藤牧師は、神様に感謝を絶やさなかったという。岡田氏は伊藤牧師の獄中記録「恩寵あふるる記」を引用しながら、苦難の中でどこに恵みがあるのかについて述べた。

殴る蹴るの取り調べ

殴る蹴るの取り調べを受けたとき伊藤牧師は、神様のさばきについて感謝した。①イエス様は人をさばくなとおっしゃった。さばく側でなくさばかれる側でよかった。自分がさばく側だったらもっとひどいことをしていただろう。②神様にさばかれなくてよかった。肉体を滅ぼしても魂を滅ぼすことのできないものを恐れるな、と聖書にある。

また、祈りについて感謝した。毎日祈っていると看守が「何をしているのか」と尋ねた。教会や家族のために祈っていると答えると、教会や家族がどうしているのか情報がないのに祈って何の意味があるのかと看守は嘲った。その会話を通して伊藤牧師は、求道者は去ったかもしれない、病気の人は召されたかもしれない。祈っても意味があるのかという悪魔のささやきを毎日聞いた。そして「今まで目の前に材料があってそろばんを弾いて祈っていた。そうじゃない。サタンよ退け」と言って、ひたすら神様を信じて祈ったという。この証しを受け継いだ札幌新生教会は「今も礼拝出席の三分の一が祈祷会に出席し、祈りを大切にする教会です」。

献金をどのようにして集めたかを尋問されたことに対しては、どれほど献げられたものに支えられて来たかを思い、信徒と神に感謝。「献げる心を点検する」ことを示され、教会再建後「毎週の礼拝献金を、祈って、祈って神様に聞いて、献げる心を点検してから献げなさい」が口癖になった。それによって札幌新生教会は今も、礼拝献金だけで賄っているという。

聖会では4歳の時に牧師だった父村上末吉が弾圧を受けた上中悦子氏(日本ホーリネ教団引退教師)が、父や兄から聞かされた弾圧時の経験を立証。午後の講演会では根田祥一クリスチャン新聞編集顧問が、現在の社会状況について、①道徳教科化など教育が国家の求める国民づくりに傾いている、②テロ等防止罪など旧治安維持法と同じく思想や考えを取り締まる法整備が進んでいる、③メディアや世論がナショナリズムに流されるなど、時代の危険な空気を指摘した。

クリスチャン新聞7月8日号より

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