《バイブル・エッセイ》「心は晴れる」そらのそら ーー「伝道者の書」とわたし その8

  • 2019/11/22
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ブラジルのマナウス、アマゾン川と夕日(C) 2019 齊藤秀典

《バイブル・エッセイ》「心は晴れる」そらのそら ーー「伝道者の書」とわたし その8


菅野基似(かんの・もとい)と申します。22歳です。ただいま、フリーター生活を始めました。というのも、ついこの間まで神学生として学んでいましたが、持病である「双極性感情障害」にやられ、学び舎から退く決断をしたばかりです。ここではそんな私のささやかな闘病記とともに、私の好きな「伝道者の書」のことばをご紹介し、ともに味わいたく思います。
それに加えて、まだ理解が進みきっていない「双極性感情障害」という病をご紹介し、少しでも誰かのお役に立てればと願っています。

第3章「神のなさることは」その1

私の魂は砕かれ


牧師との一対一の学びは毎週スリリングなものでした。自分が思ってもみなかった視点や角度から私の信仰のあり方を牧師に突っ込まれ、私の魂は砕かれ、よく泣いたことを覚えています。
私はあの学び会で養われていきました。その時間は私にとって、ひとりの人間としてこれまで自分がどう生きてきたのか、そしてその背後にあった神の御手を確認する時でした。それはつまり神が私にしてくださった恵みを思い起こし、発見する時だったのです。

悲しみと辛い時間


振り返れば、私が不登校になった当初、家族はそのことをすぐに受け入れることが難しかったのだと思います。朝起きて、両親に学校に行かないことを告げると、怒鳴られ、叱られました。その度に泣いて、「なんで僕は生まれた時からずっと、こんな悲しみと辛い時間が続いているのだろう」「なんで普通の人みたいになれないのだろう」──そんな風に悩みました。

神がいるならば、こんな最悪な人生を与えた神など絶対に信じない。幼い私はそう堅く心に決めていました。

ブラジル行き


そんな堅い決心を抱いた私は中学3年生となりました。もちろん高校なんて行く気もなく、中卒でお先真っ暗な人生を歩むのだろうと本気で思っていました。
そんなところで舞い込んだまさかのブラジル行き。両親の知り合いの宣教師の先生が不登校の私を4か月受け入れてくださり、アマゾンを見せてくれました。私はアマゾンの大自然を前に心動かされたことを思い出します。そのアマゾンの大自然の中で、毎週通うことになったブラジルの日本人教会で語られたメッセージをよく覚えています。

楽しみばかりを与える神ではない


神様は人に楽しみばかりを与える神ではない。時に苦しみをも与える神であり、その苦しみを通して人に語りかけ、教え、そしてふさわしく人を整えてくださる。そして痛みを経験した者として苦しんでいる誰かの慰め手となれる。それはもはや恵みではないか。
──そう中学3年生の夏に神様から語られたことを思い出した高校2年生の私でした。

洗礼の恵み


2013年7月7日、私は洗礼の恵みに与りました。その時、私は証をし、このように語りました。

「僕は告白します。神様が僕に今まで与えていたのは『苦痛』ではなく『恵み』だったことを」

高校2年生の私が精一杯した証でした。そのように洗礼式で告白できるまでの歩みの中で私は弱さを通り、愚かさを経験しました。しかし、それがあったからこそ、私は神様の恵みを告白することができたのです。

神のなさることは、すべて時にかなって美しい。(伝道者の書3章11節)

どれもこれも必要


伝道者もそのように告白しています。神のなさることはその時宜にかなって、ふさわしく、また適切なのです。人はその空しい生涯のうちに神の存在を認め、天を仰いでそこにおられる神様を見る時、わかるものがあるはずです。自分の人生を振り返り、痛んで苦しかったこと、そして笑えて楽しかったこと、どれもこれも必要なことだった、と。

相手の証


私は友人と語らう時に相手の証を聞くことが好きです。その人がどんなところを通ってここまで歩いてきたのか──。時に本当に苦しく辛い経験をしてきた人と出会うことがあります。そんな時、話を終えようとする相手に私は尋ねます。
「本当に大変だったね。でもその時があってよかったと思うことはありますか?」
すると不思議なことに多くの人が口を揃えます。──「うん、ある!」ある人は笑顔で、ある人は涙を流しながら、しかしみんな喜びをもって答えてくれます。「あの時があって本当によかった!」──その「時」をご支配されているのは他ならぬ神様。
かく言う私も振り返る時に見える神様の御手の業にいつも感謝をする者です。(つづく)

 

< 前へ次回は12/13に掲載予定 >

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